自家焙煎の奥深い魅力に惹き込まれた皆さん、こんにちは!
今回は、私が新たな挑戦として焙煎した、エルサルバドル産の特別なコーヒー豆「SHG パカマラ レッドハニー」について、その感動的な体験を2000字を超えるボリュームで綴りたいと思います。

火山が生んだ希少な宝石、「SHG パカマラ レッドハニー」
今回、私の焙煎心を掴んだのは、エルサルバドル西部の雄大なケサルテペケ渓谷を見下ろす、サンサルバドル火山の斜面に抱かれた「Loma La Gloria農園」で大切に育てられた「SHG パカマラ レッドハニー」です。肥沃な火山性土壌、昼夜の寒暖差、降り注ぐ太陽、コーヒーの木々を優しく守るシェードツリー、そして穏やかな雨。この農園は、まさに高品質なコーヒー豆が育つための理想郷と言えるでしょう。
「Loma La Gloria農園」が誇りとするのは、ブルボン種と、そして今回私が選んだパカマラ種のみを栽培しているという点です。特にパカマラ種は、農園全体のわずか2%しか生産されないという、非常に希少な品種。その希少性だけでも、この豆への期待が高まります。
収穫された貴重なコーヒーチェリーは、農園内に併設されたWet & Dryミルで、細心の注意を払って精選されます。徹底した品質管理体制のもと、そのポテンシャルを最大限に引き出すための努力が惜しみなく注がれています。
さらに、「Loma La Gloria農園」の素晴らしい点は、シェードツリーを積極的に活用した、持続可能性と生物多様性に配慮した栽培を行っていることです。豊かな自然環境を守りながら育てられたコーヒー豆は、その風味にも奥深い滋味をもたらしてくれると信じています。
そして、この「SHG パカマラ レッドハニー」の特徴的な精製方法が、「レッドハニープロセス」です。収穫されたチェリーは、果肉の一部を残した状態でアフリカンベッドやパティオで丁寧に天日乾燥されます。この工程を経ることで、豆は蜜のような甘さと、独特の風味をまとうのです。
その味わいは、まさに太陽の恵みを凝縮したかのよう。口に含んだ瞬間、鮮やかなオレンジを想わせる爽やかな酸味が広がり、その後に追ってくるのは、とろけるようなキャラメルの甘さです。推奨されているハイローストで焙煎することで、これらの甘み、酸味、そして豊かなコクが絶妙なバランスを生み出し、飲む人を魅了する特別な一杯となるのです。
自家焙煎の記録:パカマラの個性を引き出す

この魅力的な「SHG パカマラ レッドハニー」を、私はweroast社のhome roasterを使って自家焙煎することに決めました。希少な豆だからこそ、その個性を最大限に引き出したい。そんな想いを胸に、焙煎に臨みました。
今回の目標焙煎時間は14分。生豆の持つポテンシャルを考慮し、じっくりと火を通していくことを意識しました。焙煎開始から9分が経過した頃、待望の「1ハゼ」が始まりました。パチパチと弾ける音は、豆が内部から変化している証であり、焙煎士にとって最も心躍る瞬間の一つです。
1ハゼが落ち着きを見せ始めた頃から、豆の色合いは徐々に深みを増していきます。オレンジがかった明るい色から、徐々に褐色へと変化していく様子を、目を凝らして見守りました。そして、注意深く香りを確かめながら、焙煎の進行具合を見極めます。
目標としていたハイローストに近づき、わずかに「2ハゼ」の音が聞こえ始めた直後、私は焙煎を終了させる決断をしました。パカマラ種の持つ繊細な風味を損なわないためには、深煎りになりすぎないことが重要だと考えたからです。
焙煎直後の豆は、やはりガスを多く含んでいるためか、香りはまだ控えめな印象でした。しかし、その奥には確かに、柑橘類を思わせる爽やかな香りの片鱗が感じられました。粗熱を取り、しっかりと密閉した容器に入れて、一晩休ませることにしました。
焙煎翌日:鮮やかに花開いたアロマとフレーバー
そして、焙煎から待ちに待った翌日。豆を挽いた瞬間、昨日とは全く異なる、鮮やかで芳醇な香りが部屋いっぱいに広がりました!まるで摘みたてのオレンジのような、フレッシュで明るい柑橘系の香りが鼻腔をくすぐり、期待感が高まります。
丁寧にハンドドリップで淹れたコーヒーを一口含むと、その印象は確信へと変わりました。まず、口の中に広がるのは、太陽をたっぷり浴びたオレンジのような、生き生きとした酸味。それは決して尖った酸味ではなく、丸みを帯びていて、心地よく舌を刺激します。そして、その酸味と見事に調和するのが、とろけるようなキャラメルの甘さ。優しく、そして奥深い甘さが、コーヒー全体の味わいを豊かにしています。
コクもしっかりと感じられ、飲みごたえがありながらも、後味はすっきりと爽やか。柑橘系の香りが鼻に抜け、まるで春の風が吹き抜けるような、清々しい余韻が長く続きます。
焙煎直後はまだ眠っていた香りが、一晩置くことで見事に花開いたようです。この変化こそ、自家焙煎の醍醐味であり、時間をかけて豆と向き合うことの喜びだと改めて感じました。
希少な豆との出会いに感謝
今回のエルサルバドル産「SHG パカマラ レッドハニー」との出会いは、私にとって特別な ものとなりました。火山性の肥沃な大地、丁寧な栽培と精選、そして希少なパカマラ種とレッドハニープロセスという組み合わせが生み出す、唯一無二の味わい。
「Loma La Gloria農園」の情熱と、自然の恵みが詰まったこのコーヒーは、まさにコーヒー好きなら一度は試していただきたい逸品です。その爽やかな酸味と、とろけるような甘さの絶妙なバランスは、きっとあなたのコーヒー観を変えてくれるはずです。
自家焙煎という冒険を通して、私はまた一つ、素晴らしいコーヒーの世界を知ることができました。これからも様々な豆との出会いを大切にし、その魅力を最大限に引き出す焙煎に挑戦していきたいと思います。
今回のブログ記事が、あなたのコーヒーライフに新たな彩りを添えるきっかけとなれば幸いです。次はどんな豆との出会いが待っているのか、私も今からワクワクしています!

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