【20250429】自家焙煎記録「ブラジル:トミオ・フクダ 」

自家焙煎の世界へようこそ!今回は、私が焙煎したブラジル産「トミオ・フクダ ブルボン」について、その魅力と焙煎の記録をたっぷりお届けしたいと思います。

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大地の恵み、バウ農園の「トミオ・フクダ ブルボン」

 今回使用したコーヒー豆は、遠いブラジルの地、ミナスジェライス州セラード地区パトスデミナス付近に位置するバウ農園で育まれた「トミオ・フクダ ブルボン種」です。
 標高約1100mという高地は、昼夜の寒暖差を生み出し、コーヒー豆に複雑な風味を与えます。また、雨季と乾季がはっきりとした気候は、コーヒー栽培にとって理想的な環境と言えるでしょう。

 バウ農園のコーヒー作りは、まさに自然との調和そのものです。太陽の光をたっぷりと浴びて育った真っ赤なブルボンチェリーは、丁寧に手摘みで収穫されます。
 その後、伝統的なナチュラル製法によって精製されます。選別されたチェリーは、広大なパティオでじっくりと天日乾燥され、その甘みと風味を凝縮させていきます。さらに、果肉除去、脱穀、そして厳しい品質管理を経て、「ブルボン・ナチュラル・サンドライ」という特別なコーヒー豆が生まれるのです。

 この「トミオ・フクダ ブルボン」は、昔ながらのブラジル・ナチュラルコーヒーの持つ独特の甘さと、ブルボン種ならではの上品な酸味、そして豊かなコクが見事に調和しています。一口飲んだ瞬間、口の中に広がる芳醇な香りと、とろけるような甘さは、まさに至福のひととき。後味には、ほんのりとしたナッツのような香ばしさが残り、その余韻まで楽しむことができます。

 さらに、バウ農園は栽培から収穫、精選、乾燥、選別、そして輸出用のパッキングまでを一貫して自社で行っています。これにより、豆の品質はもちろんのこと、トレーサビリティが確保され、私たち消費者は安心してこの素晴らしいコーヒーを味わうことができるのです。生産者の顔が見えるコーヒー、それは格別な安心感と満足感をもたらしてくれます。

自家焙煎への挑戦:シティローストへの道

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 そんな魅力あふれる「トミオ・フクダ ブルボン」を、今回はweroast社のhome roasterを使って自家焙煎してみました。これまでいくつかのコーヒー豆を焙煎してきましたが、この豆のポテンシャルを最大限に引き出すためには、どのような焙煎プロファイルが良いのか、試行錯誤しながらの挑戦となります。

 一般的に、「トミオ・フクダ」はその甘みとコクを最大限に引き出すために、ハイローストからシティローストの中煎り程度が推奨されています。深煎りにすると、ブルボン種特有の繊細な酸味や甘みが失われてしまう可能性があるからです。

 今回の焙煎では、13分で焙煎を完了させることを目標に設定しました。焙煎機に生豆を投入し、温度変化を注意深く観察します。9分が経過した頃、パチパチという心地よい音、いわゆる「1ハゼ」が始まりました。これは、豆の内部の水分が蒸発し、豆の組織が膨張する際に起こる音です。

 1ハゼが終わると、焙煎は後半の段階に入ります。ここからの温度管理が、コーヒーの最終的な味わいを大きく左右するため、慎重に火力を調整します。目標としていたシティローストに到達させるため、豆の色、香り、そして煙の変化に神経を集中させました。そして、2ハゼが始まる直前、理想的な焼き加減になったと判断し、焙煎を終了しました。

 焙煎直後の豆は、まだガスを多く含んでおり、香りは少し落ち着かない印象です。しかし、焙煎したての新鮮な豆が持つポテンシャルは十分に感じられました。粗熱を取り、密閉容器に移して一晩置くことにしました。

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焙煎後2日目:花開いた味わい

 そして、焙煎から2日目。待ちに待った試飲の時がやってきました。豆を挽いた瞬間、焙煎当日とは比べ物にならないほど豊かな香りが部屋いっぱいに広がります。ナッツのような香ばしさに、ほんのりとした甘さとフローラルなニュアンスが加わり、期待が高まります。

 丁寧にハンドドリップで淹れたコーヒーを口に含むと、まずその滑らかな口当たりに驚かされます。そして、舌の上で広がるのは、凝縮されたような甘さ。まるで上質なキャラメルのような、優しく包み込むような甘さが特徴的です。その後から、すっとした心地よい酸味が顔を出し、全体の味わいを引き締めます。濃厚なコクは、コーヒーの骨格をしっかりと支え、飲みごたえのある一杯に仕上がっています。

 まさに、焙煎前に期待していた通りの味わいがそこにありました。昔ながらのブラジル・ナチュラルコーヒーの持つ力強い甘さと、ブルボン種の持つ繊細な風味が見事に融合し、バランスの取れた、完成度の高いコーヒーだと感じました。

 焙煎直後はまだ味が落ち着かず、香りが控えめでしたが、2日間置くことで豆の中のガスが抜け、風味が十分に開いたようです。自家焙煎の醍醐味の一つは、このように時間経過による味の変化を楽しめることだと改めて感じました。

自家焙煎の喜びと可能性

 今回の「トミオ・フクダ」の自家焙煎を通して、改めてコーヒーの奥深さと、自家焙煎の楽しさを実感しました。一つの豆でも、焙煎度合いやプロファイルによって全く異なる表情を見せるコーヒー。その可能性を追求していくことは、まさに探求の旅のようです。

 今回使用したweroast社のhome roasterは、家庭でも手軽に本格的な焙煎ができる優れたツールです。時間設定など、細かな調整が可能なので、自分の理想の味わいを追求することができます。

 もしあなたがコーヒー好きで、さらにその一歩を踏み出したいと考えているなら、ぜひ自家焙煎に挑戦してみることをおすすめします。「トミオ・フクダ」のような素晴らしい豆と出会い、自分の手で焙煎したコーヒーを味わう喜びは、何にも代えがたい経験となるはずです。

今回の焙煎記録が、少しでもあなたのコーヒーライフを豊かにするきっかけとなれば幸いです。次はどんな豆を焙煎しようか、今から楽しみでなりません。

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